物語好きのブログ

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小説 この世界がゲームだと俺だけが知っている5

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五巻からになってしまうがしかたあるまい。

一から四はまた読み返す機会があればということで。

 

この物語は、主人公のソウマがひょんなことからゲームの世界に入ってしまう物語である。

バグ満載のため、ある意味人気のVRゲーム『New Communicate Online』(通称『猫耳猫オフライン』)。
その熱狂的なファンである相良操麻は、不思議な道具の力でゲーム世界に飛ばされてしまう。
突然の事態に驚く操麻だが、そこは勝手知ったるゲームの世界。
あらゆるバグを使いこなし、ゲームの仕様を逆手に取る彼は、いつしか『奇剣使いソーマ』と呼ばれていた。

 

 

このバグがかなり理不尽な仕様となっているのが、物語に面白みを持たせている。

バグを逆手に取り、強敵を退けたり、強敵から逃げる主人公は、みていて飽きない。途中で挟まれる挿絵が、一層この小説の面白みが増している一員になっていると思う。

主人公がスキルを使いこなし、変体的移動法ながらも異常なスピードで移動するのを、仲間が不気味な目で眺めているところは、思わず笑ってしまった。

ヒロイン達もそれなりに魅力的だ(特にトレインちゃん)他のキャラクターもなかなか愉快な性格をしている。個人的にはライデンが面白い。強者を求めてひたすら挑み、そして散るお約束的なキャラクターなところがなかなか。

 

伏線回収が優秀で、今回の五巻はそれが顕著にあらわれたと感じる。特に今回のラストシーンは、今までで一番の盛り上がりをみせた。一巻から続いていた本編とは違う小話が、ここにきて本編に深く関わってきて、強く繋がったからこその面白さだろう。

とにかく、トレインちゃんが健気であるがゆえ可愛い。そして魅力的だ。彼女には心から幸せになってほしい。