物語好きのブログ

映画や本の感想、自分の考えを書いています。 

リミット

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壮絶とでもいえばいいのだろうか。

棺桶に閉じ込められた男が携帯電話とライターだけで一人孤軍奮闘する話。

 

本編について触れていく。

 

まず、この映画で人物が映されるのがポールだけという、ちょっと変わった映画だと感じた。

終始緊張感に満ちた場面となっており(当たり前だが)最後まで楽しめた。

電話相手と、ポールとの緊張感の差のギャップがなんとももどかしく、他人事には一切関心を示さない今の社会を皮肉っているのではないかと心に抱いた。

 

 

マークホワイトも閉じ込められていたのだろうか?

なぜFBIの人(名前を忘れたので仮にマイケルとする)はマークホワイトは救出できていたと嘘をついたのだろうか?

 

マークホワイトも閉じ込められており、ホワイトもマイケルに電話をかけていたと推測する。

そしてマイケルは、ポールを励ますと同時に、自分自身に枷をかけたのではないのだろうかと思う。絶対にホワイトもポールも助けるから、「ホワイトは助かった」とポールに言ったのだ。実際には助けられてなくても。そうすることでマイケルは自分自身にプ決意を込めてプレッシャーをかけたのではないか。

こういう考え方もある。電話での会話でしか、マイケルは彼らの緊張感を感じることができない、リアリティが感じられないから、マイケルは自分にプレッシャーをかけた。そう考えることもできると思う。

 

マイケルが言ったセリフが印象に残っている。

「彼らはテロリストだ。だが、彼らも人間だ」

 

ポールが母親に電話を掛けたシーンも印象に残っている。母親はボケてしまっているのだろう。介護施設に入居しており、会話もちぐはぐだ。それでもポールは母親の声を求めた。

窮地に陥ったとき、一番安心するのは母親の声を聞くこと。それはどこの国でも変わらない普遍的な事実なのだろう。