セブン
本編について触れていく
DVDをレンタルするときに、僕はなんとなく、この映画が、よくある仲の悪い刑事コンビが、事件を追うにつれて信頼を深めていき、最後に結託して犯人を捕まえるという、よくある筋書きの物語を連想していた――ー連想してしまった。
先入観を持たないようにして映画を見るようにしているが、表紙を見たときに連想してしまった。
本編は確かに、連想したような筋道を辿る。紆余曲折しながら犯人を追い詰める。
銃撃戦を交えながら。
ただ、僕の脳裏に何かが違うという予感めいたものが頭を掠めた。
この映画は薄暗いのだ。
犯行内容が常軌を逸しているというのも、要因にあると思うが。
全体を通じて、シーンも夜や、雨が多い。
だから、綺麗な終わり方でこの事件は幕を閉じるとは思えなかったのだ。
ラストはどうなるんだ?と、期待を膨らませ、わくわくしながら、物語はラストを迎える。
えげつなかった。
(この、「えげつなかった」は物語そのものを非難するという意味でこめられたものではないと注釈しておく。)
僕は、物語を構成するのに必要なものは二つだけだと考えている。
プロットの収束。カタルシス。これだけだ。
この映画では、そのカタルシスが、特殊な模様を描いている。
これも一種のカタルシスなんだぞと、教えられたような気がした。
確かに、こういう終わらせ方の映画は、たまに目にする。
個人的には好まないが、たまーに見たくなるのはなぜだろうか。
僕自身が心の中に望んでいるのかもしれないし、いわゆる「毒」の要素が強い、刺激的なものを望んでいるのだろうと思う。
そして、記憶に強く残るのは、こういった「毒」の映画なのだ。