シャッターアイランド
見終えた後、どういった解釈をすればいいか迷った。
本編に触れていくが、人によって解釈が変わってくると思う。
1 全てが主人公の夢
この終わりとは思えない。個人的に夢落ちはあまり好まないから、そう考えるのかもしれないが、夢落ちだと、なんとなく釈然としない。
一応、「シャッターアイランド」という題名なので、「シャッターアイランド」=夢と解釈するのは不自然ではないと思う。
2 途中までが主人公の作り上げた妄想。その後、妄想から覚めた主人公の話が進み、最後にまた気が狂い、ロボトミー手術を受けさせられる。
この終わり方だと、わりとしっくりくる。ただ、そこからまた別の解釈が出てきたので、僕は違うと思う。
3 途中までが主人公の作り上げた妄想。その後、妄想から覚めた主人公の話が進み、最後に気が狂ったふりをする。
主人公は、自責の念に駆られてしまったのか、これ以上自分を失うのが嫌だったのか、そこのところはわからないが、自らロボトミー手術を選んだ、というのが僕の解釈としては一番納得のいく終わり方だと考える。
この映画は、どこか浮遊しているような印象を受けた。中盤からの現実と妄想の境界線があやふやになり、プロットが収束するにつれて、その境界線がくっきりと見えてくるような印象だ。
灰色の世界に、赤、黄、緑が渾然一体となっていくような。陰影がくっきりみえないかんじ。
この映画とは関係ないが、最近、『カッコーの巣の上で』という映画と、『完全なる首長竜の日』という小説を読んだ。『カッコーの巣の上で』でロボトミー手術を知り、『完全なる首長竜の日』で現実と妄想の曖昧さを知った。その後、この『シャッターアイランド』を観賞したのだから、何か奇妙な縁を感じるのは、不思議ではないだろう。
物語とは、惹かれあうのかもしれない。