メメント
本編について触れていく。
まず、よくできているなと感じた。
ストーリーそのものが遡行しているが、プロットがまとまっていてつまらないということがなかった。
登場人物が汚い人間ばかりだったのも、また愉快だった。
白黒のシーンが時折入ってくるが、僕はそのシーンがかっこいいと感じた。
無駄なセリフもシーンもなく、隙がないって印象。
主人公のレナードは、あまりにも記憶が不安定だと思う。それがまた、物語の鍵になってきたりもするのだから、興味深い。
十分程度しか記憶が持たないのはどういう感覚なのだろう?
この映画の特性上、ある意味では見てる人と主人公と感覚は同じだと思うが、もどかしい感じがした。前の場面を思い出しながら映画を見れたので、集中できたのはよかった。
ナタリーに散々罵倒されたのに、ちょっとしたら忘れてしまい、更には利用されてるのに、いい人扱いしてる主人公を見てると、悲しくもあり、滑稽でもあった。
記憶は所詮当てにならず、刻んだ事実も意味がない。
自分をが信じたい可能性しか見つめられず、ただ人を殺していく。
主人公にとっての真実は、どこにあるのだろうか?