「アイデアのつくり方」 感想
頭の中でモヤモヤしていた部分が明瞭になった気がする。
ある問題に対して毎日思考を巡らせていると、突然天啓のごとくアイデアが降って湧いたことはないだろうか。
散歩中に突然今まで解けなかった疑問が一気に解けたり
何の関連性もないと思っていた分野から閃きを得たり
僕はそのアイデアが降って湧くプロセスを具体的なイメージとして持ってはいなかった。
ただ「直感が働いたのかなー」とそこまでで結論づけてしまっていたのである。
だからこの本を読んで、今まで溜まっていた疑問が一気に氷解した。
本書で得たことを自分なりにまとめていく。
第一に
どんな技術を習得する場合にも、学ぶべきことは「原理」でありその次に「方法」である
これはどの方面に対してもそうだろう。まずは原理に対してアプローチを仕掛ける。
そして「原理」にある程度の理解を得たらそこから「方法」を模索する。
それが技術習得へのプロセスだ。
ヤングは、アイデアを作り出す技術についても同じだと述べている。
概要
短く結論を書いておく。
- まず関連性のある知識(素材)を何でも詰め込んでいく。
- そこから知識と知識を組み合わせてみたり並べたり、いじくりまくる
- もう何もすることがなくなるほどいじったら「何もしない」(放っておく)
- 突然アイデアが湧くのでそれを育てる
おおざっぱに纏めるとこんなかんじ。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ
アイデアは組み合わせで生じる。ヤングはアイデアを得るための技術は五つの段階を経過して働くと述べている。
そしてアイデアとは組み合わせなのだとも述べている。
完全にオリジナルなアイデアはないのだろう。
知識の組み合わせであらゆるアイデアは生まれてくるものなのだ。
一切関係の無いと思われる事柄が二つあっても、それらを組みさわせれば不思議な何かができあがり、その瞬間に疑問が氷解する。それが「アイデア」
そしてそのアイデアを得るためにはあるゆることに興味を持ち続けること、そして知識をやアイデアを得るだけに留まらず、そこから更に発展させ考え続けること。
これは物語を創作する部分にも通じている部分がある(というかほとんど)
まずは知識を詰め込む。そかから始まる。
知識を表層化させたあと、深層に沈める。
情報収集を終えると、大抵はそこで行き詰る。
何もアイデアが生まれないのだ。
だが心配することはない。
知識はいきなりは始動しないものなのだ。だから知識は深層に沈めた後、無意識に任せる。
知識はまた別の知識と化学反応を起こし、再構築されていく。そのためには時間がかかるのだ。
感想、衝撃を受けた点
非常に読みやすかった。
シンプルに纏められているので、暇なときに簡単に読み返せるというのは便利だ。
これからも読み返してきたい。
そして衝撃を受けたことがある。
竹内 均という人物についてだ。
最後にこの人物が本書で解説をしているのだが、この人物が行っていた「私なりの方法」が僕の世界を変えた。
細かくは書かないが、この人物は「四百字詰め原稿を一月三百枚以上の原稿をかならずつくる」ことを二十数年続けてきたという。
頭がおかしいのかと思った(褒め言葉である)
月三百の原稿を作ることはできるとは思うのだが(それでも凄いが)それを二十数年続けるというのが尋常ではない。
この人物が気になり、いろいろ調べると只者ではなかった。
著作が約450冊もあるらしい。
それはそうだ。そんなに書いていたら著作もそれくらいにはなるだろう。想像もつかないが。
僕もそれなりに書き物をやっていると思っていたが、ぜんぜんそんなことはなかった。
「甘い」の一言で片付く。
僕もこの人物がやったように、「四百字詰め原稿を一月三百枚以上の原稿をつくる」の目標を掲げようか。
やってのけた人物がいる以上、僕もできるはずだ。これよりも上を目指すことだってできるはずだ。
やっていこう。(できるきしないっ)
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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