小説 玩具修理者
この小説は二編で構成されていて、「玩具修理者」「酔歩する男」の二つが書かれている
「玩具修理者」
人が解体されていく描写が生々しく、グロテスクだ。
クトゥルフ神話が関連するワードも出てきた。
生命とは何なのか、生物と無生物の違いとは何なのか?
倫理観を考えさせられる話だと感じた。
「酔歩する男」
時間とは何か?
時間とは人間が勝手に決めたもので、主観的でしかない。
この話の中で、主観時間で数万年生きている男が出てくる。
その男は死んでも、寝ても、時間の渦に飛ばされてしまい、自分が過去に生きてきた時間、未来で生きるであろう時間しか、生きることができない。
一種の不老不死といえるのかもしれないが、あくまで限られた時間しか生きることができないのは、想像するだけで気が重くなる。
僕としては、過去の本や映画、娯楽を限りなく楽しめるから、この男の状態になっても問題ないのでは?と思ってしまうが、どうなんだろう。やはり数万年も経つと感情が磨耗してしまいそうで怖い。
そのときには怖いという感情もなさそうだが。