物語好きのブログ

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ボノロン お父さんの弁当の巻

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ボノロンを知っているだろうか。

心温まる優しい童話を。





セブンイレブンに置いてある無料でもらえる絵本。

発行されるたびに読んでいるが、どこか、胸を打つ。

自分が忘れている何か大事なこと。心の奥深くに沈んでいる小さな感情。

そういった何かを想起させられる。

絵本であるがゆえに、話は短く構成されており、数分で読み終える。

話としては短いが、そこには心の本質が綺麗に収まっているように受ける。

慈愛。親心。葛藤。喜び・・・・・・

読み終えた後、温かい余韻に包まれる。

あまり絵本は読まないのだが、絵本もなかなか侮れないなと感じた。




感想


シューは子供であるがゆえに、まだ何も知らない。
父がなぜおいしくない弁当を作るのか。
父がなぜ、母が亡くなった日に涙を流さなかったのか。


だからシューは父のことが嫌いになるのは必然ともいえる。
シューは毎日弁当を道中で捨てていた。
心苦しい場面だがどうしようもないとも思う。

嫌いになった人物の手料理は、どれほど美味しくても美味しくないのだ。


それは仕方の無いことだ。両者は不器用なんだ。上手く言葉をかけれない、どう接していいかわからない。
シューが弁当を捨てていると父は知っていても、どう声を掛ければいいのだろうか。
そう思い悩むのはどこか悲しいところがある。

「りょうりはこれから毎日、オレがやる。
シューが大きくなるまでやる。
シューの前で涙なんか流さない。
涙は、シューが大きくなるまでがまんする。
オレの涙を見たらシューも悲しくなるだろう」

父の母との約束。かっこいいと思った。

シュー自身、その事実を知ったとき、やっと理解できた。
父はシューのためだけに全てを懸けていたのだと。





絵本はどうして終わり方がこれほど綺麗なのだろう。