物語好きのブログ

映画や本の感想、自分の考えを書いています。 

小説

虚構を想像する自由

少し前の話になるが首相官邸にドローンが落ちた。この事件を耳にしたとき最初に脳裏によぎったのは伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」だ。およそ七年前に刊行されたこの作品ではドローンを用いた犯罪がキーとなっている。真に迫った虚構は現実に肉薄する…

「怪物はささやく」 三つの物語と、第四の物語 感想

「わたしが三つの物語を語り終えたら、 今度はおまえが四つめの物語を わたしに話すのだ。 おまえはかならず話す・・・・・・ そのためにこのわたしを呼んだのだから」これは、全ての真実を映し出す物語だ。人にとって物語とは癒しの存在だ。 虚構で彩られた…

館島

笑えるミステリ。 あらすじ 天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は…

月光

「―――人はどうして人を殺すんだろうね?」「―――-そうね」 「―――きっとそんな気分だったんだわ」 モノクロの景観に踊る、カラフルな傘。その描写が色鮮やかに感じられた。

緋色の囁き

読み終えた後、頭に残ったのは「赤」だった。 あらすじ 一人の女子生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。 その生徒は「私は魔女なの」と主人公に言い残す。 そこから連続惨殺事件が幕を開けた。 感想 赤い悪夢に主人公の冴子は惑わされる。 自分は何者なのか…

ラン   コメント返信も

ラン (角川文庫)作者: 森絵都出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/02/25メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (13件) を見る 読み終えると外に出て走りたくなってしまった。いや、さっき走ってきた。走ることは…

ログ・ホライズン3

どんな世界で生きるにも、必要なのは「仲間」なのだろう。 この現実の世界、僕達は一人で決して生きていくことはできない。 身の回りに溢れている、あらゆる道具、機器、システム―――これらは先人達が努力を重ね、研鑽した結果受け継がれてきたものだ。 決し…

殺戮にいたる病

衝撃を受けた。 あらすじ 連続猟奇殺人事件が発生する。 異常なまでの陵辱的惨殺。その犯人を元警部の「樋口」と、被害者の内の一人の妹「かおる」が追う。

小説 黄金を抱いて飛べ

すごい。 すごすぎる。 簡単なあらすじ 六人の男達が金塊を強奪する話。 六人は厳重に守られた防御システムを突破できるか。 北川と、幸田の信頼関係が好きだ。互いを信頼しつつ、互いを理解しているが、芯の部分は理解できてない距離感が良い。 北川のカリ…

小説 すきまのおともだちたち

童話のような物語。 道に迷って、家に帰れなくなった新聞記者の「わたし」 レモンの木からレモネードを作り、それを売ることで生計を立てている「おんなのこ」と、古びた喋る「お皿」がでてくる。 こういった柔らかい雰囲気の小説を読むのは、かなり久々だ。…

小説 ログホライズン2

面白かった。そしてミノリが可愛い。 主人公シロエの腹黒さ、一度決めたら最後までやり通す信念を垣間見た気がした。 シロエは自分から積極的に仲間に頼ろうとしなかった。ギルドにも所属することはなかった。それは、自分にかかる責任が一層重くなり、その…

小説 この世界がゲームだと俺だけが知っている5

五巻からになってしまうがしかたあるまい。 一から四はまた読み返す機会があればということで。 この物語は、主人公のソウマがひょんなことからゲームの世界に入ってしまう物語である。 バグ満載のため、ある意味人気のVRゲーム『New Communicate Online』…

小説 臨床真理

最初から最後まで気が抜けず、一気に読みきった。面白い。 冒頭の入り方が個人的には大好きだ。臨場感溢れる救急隊の出動からの暗転まで、興奮させてもらった。 登場人物の行動にもほとんど違和感なく、生々しさが溢れていた。特にラストシーンは、実際にあ…

小説 十三番目の人格 ISOLA

本編について触れていく。ネタバレ注意。 この小説で、多様な多重人格を持つ人間がいることを知った。 実際の多重人格者も、こんな感じなのだろうか?イメージしづらい。 賀茂由香里の心の苦悩はとても辛いものだと思う。相手の心が読めてしまうのは苦しいこ…

小説 玩具修理者

この小説は二編で構成されていて、「玩具修理者」「酔歩する男」の二つが書かれている 「玩具修理者」 人が解体されていく描写が生々しく、グロテスクだ。 クトゥルフ神話が関連するワードも出てきた。 生命とは何なのか、生物と無生物の違いとは何なのか? …

小説 ログホライズン

一巻を読み終えた MMOの一番の魅力は、広大な世界を友人と旅することにある 例えそれが作られた世界であっても、そこで暮らす人間の感情は本物である たとえその世界がゲームであっても、真摯に向き合うことは大事だ 最初にゲームの世界に囚われる設定の物語…